Hippocampal representation during collective spatial behaviour in bats | Nature (2023)
Angelo Forli & Michael M. Yartsev
https://doi.org/10.1038/s41586-023-06478-7
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動物は基本的にダイナミックに変化する環境の中で生活をしている
例:群れで生活している種は、自分が止まっていても他個体が動き回っているので常に環境が変化している
このような動的な環境の中で、動物はどのようにナビゲーション(navigation)を行うのか
また、その時の海馬(hippocampus)の活動はどうなっているのか
Naa_tsure.icon基本的に場所細胞(place cell)等に関する先行研究は静的な環境で調べられている
この研究では、すでに海馬での場所細胞の活動が調べられており、集団で生活を行うコウモリ(Bat)を対象とした
5-7個体のコウモリを自由に行動(飛行)させ、全てのコウモリの位置をリアルタイムでトラッキング
複数の個体が位置するパターンがある程度決まっていて、特定の個体ペアが一緒に過ごす時間が有意に長い
Naa_tsure.icon自由席の講義で、学生同士の関係性で座る席がある程度固定化されるのに似てる
ワイヤレスにDorsal CA1 CA2から自由行動下で細胞外電位記録(extracellular recording)で記録
飛行を開始する場所と着地する場所に他個体のコウモリがいるか否かで異なる神経活動を示す細胞がある
そして、この変化は相手のコウモリが、一緒に過ごす時間が長いコウモリの場合に大きくなる
しかも、この細胞の多くは空間的な情報に対しても応答する
一方で、静止中のコウモリが他個体の飛行に応答する際には、場所や個体の情報から神経活動への影響は小さい
ワイヤレスにDorsal hippocampusから自由行動下でカルシウムイメージング(Ca²⁺ imaging)で記録
Naa_tsure.iconイメージングでは、細胞の位置と機能(応答)の関係性を知ることが出来る
Naa_tsure.icon+細胞外記録は推論による信号源分離に過ぎないがイメージングでは明確に区別出来る
基本的には電気生理と同様な結果が得られ、社会性に関連する変動を受ける細胞の位置は空間的に分散していた
Naa_tsure.iconコウモリの飛行中にワイヤレスイメージング(wireless imaging)なんてできるんすね
A stable hippocampal code in freely flying bats | Nature (2022)
Naa_tsure.icon今回みられるような社会性変調は成長の中で獲得されていくものなのか生得的なのか
Naa_tsure.icon例えば、自然界では出会わないような異種と仲が良くなったら同様の変調は起こるのか
Naa_tsure.iconコウモリが他の種と仲良くできるか知らないけど
Naa_tsure.iconTask basedの実験よりもこういった自由行動下の実験の方が発見的で個人的には好き
"自由"行動下での機能イメージング
EthoLoop: automated closed-loop neuroethology in naturalistic environments | nature methods (2020)
Naa_tsure.iconだけど、実際にやってみると発見に至るまでが大変なんだろうなと思う
図が見やすい論文Naa_tsure.icon*2